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Aldon Music アルドン・ミュージック

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    Radicomi
    Radio-Net Communication "ラジコミ"
    77.7MHz FMやまと 毎週火曜日 夜8時〜45分間生放送


    BINGOのギリギリSTRIKE!!!
    + Aldon Music アルドン・ミュージック +


    今日は68歳になるアメリカの女性シンガー・ソング・ライターの
    キャロル・キング(Carol King) の誕生日(1942年〜)。
    そしてもう一人、歌手であり作曲家の
    バリー・マン(Barry Mann) の誕生日(1939年〜) でも・・・
    と、いうことで・・・今週のテーマは、
    二人が所属していた「アルドン・ミュージック」。


    と、その前に・・・ティン・パン・アレイの話からしないとかな。

    何も細野晴臣のその昔のバンド名でもなく・・・
    ましてやチンパンジーの親戚の話でもなく・・・

    それは1800年代後半までさかのぼっての話。
    場所はニューヨーク市マンハッタン、
    大小の劇場が軒を連ねるタイムズ・スクェアにほど近い、
    ブロードウェイと6thアヴェニューに挟まれた28丁目の小さな一角に
    音楽出版社やミュージシャンのエージェントが軒を連ねていた。

    当時はまだレコードは高価な代物で音楽は生演奏が主流。
    だから、音楽関連の商品と言えば主に
    シート・ミュージック(楽譜) というのも自然なこと。
    専門店以外でも、デパートなど大きな店舗から
    ファイブ・アンド・ダイム・ストアという
    日本で言えば100円ショップのような小さな店舗にまで
    シート・ミュージックの売り場が設けられ、
    そこにいるピアニストによって試しに弾いてもらえる。


    それぞれの音楽出版社では競うように売れる曲を作り、
    デモンストレーションのピアノの音が狭い一角のあちこちで流れ、
    その状況をまるで鍋を叩いているような喧騒を喩えて
    そこはティン・パン・アレイ{*} と呼ばれていく。

      {*} ティン・パン・アレイ(Tin Pan Alley)
      Tin=錫、Pan=鍋、Alley=小路というフレーズは、
      1899年にモンロー・ローゼンフィールド(Monroe Rosenfeld) という
      New York Herald の新聞記者でによって書かれた
      繁盛しているビジネスのシリーズ記事の中の一つで登場している。
      この記者はパートタイムで作曲もしていたこともあって
      たぶんこの一角にとても興味を持って書いたんじゃないかな。


    そんな、小さな一角と今日のテーマの「アルドン・ミュージック」が
    結びつくには何十年もあとの20世紀の1950年代末、
    ロックン・ロールにとって闇の時代の始まる頃・・・

    まずは皮切りに、リトル・リチャード(Little Richard) が、
    牧師になるため人気絶頂時の1957年10月に突然の引退発表。
    その5ヵ月後、1958年3月にキング、
    エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley) の軍隊入り。
    そのまた2ヵ月後の5月、ジェリー・リー・ルイス(Jerry Lee Lewis)
    スキャンダルが発覚。業界からそっぽを向かれている。

    翌1959年2月にロックン・ロールが死んだ日と言われる
    バディ・ホリー(Buddy Holly)、リッチー・ヴァレンス(Ritchie Valens)
    ビッグ・ボッパー(Jiles Perry "The Big Bopper" Richardson) 、
    このスリー・スターズの飛行機事故。

    そしてこの悲劇を歌ったエディ・コクラン(Eddie Cochran) までも
    その翌年1960年4月に自動車事故で
    スリー・ステップス・トゥ・ヘヴンしている。

      Eddie Cochran "Three Steps to Heaven"
      

    この車に同乗していたジーン・ヴィンセント(Gene Vincent) も
    肋骨と鎖骨を折る重傷を負い一時期だけ第一線を退いている。

    チャック・ベリー(Chuck Berry) は1958年に
    スキャンダルで逮捕。半ば黒人差別の扱いもあってか1963年まで服役。
    黒人ロックン・ロールの味方のDJ、アラン・フリード(Alan Freed)
    当局によって動きを封じ込められていく。

    こうしたロックン・ロールのパイオニアの大スターたちの不在で
    1950年代半ばから続いたロックン・ロールはまさに死んでいく。

    そんな中、音楽ビジネス界では古いロックン・ロールに代わり、
    もっと健全なアイドル歌手が歌うような
    ポップスを作ることが求められ始める。

    そんな需要に応えたのが、ティン・パン・アレイに続々と登場してきた
    新興音楽出版社のうちの一つ、今日のメイン・テーマの
    アルドン・ミュージック。(やっと出てきたぞぉ。。。)


    すでに音楽ビジネスにどっぷり浸かっていた
    20代半ばの青年ドン・カーシュナー(Don Kirshner) は
    スリー・サンズ(The Three Suns) のギタリストの
    アル・ネヴィンズ(Al Nevins) を誘って1958年にこの会社を設立。
    会社名の由来は2人のファースト・ネームの
    「アル」と「ドン」を取って・・・
    って、意外とこういうベタな会社名は珍しくないんだけど。。。


    で、この会社、今日が誕生日のバリー・マンやキャロル・キング、
    そしてキャロルの夫のジェリー・ゴフィン(Gerry Goffin)、
    そしてさらに元恋人のニール・セダカ(Neil Sedaka) と
    その相棒のハワード・グリーンフィールド(Howard Greenfield)。
    他にもジャック・ケラー(Jack Keller) などなど
    売れっ子ソング・ライターたちを抱えてチームを組ませ
    良い曲・売れる曲を企画して作曲、録音などなど
    徹底的にシステム化してヒット曲を量産していく。
    まさにファクトリー、音楽産業と言った感じ。


    で、このアルドン・ミュージックも含めてティン・パン・アレイにある
    音楽出版社から発信されるヒット曲を、
    「ここに来れば一枚のレコードが出来上がってしまう」と言われるくらい
    音楽出版社やミュージシャンのエージェントなどが多く揃っていた
    ブロードウェイ1619番地にあるそのビルにちなんで
    ブリル・ビルディング(Brill Building) サウンドと呼ばれる。

    アルドン・ミュージックは、そのブリル・ビルディングから
    1ブロックほど離れた1650番地に会社をかまえ、
    本拠地ブリル・ビルディングよりも本拠地らしい
    影響力のある活動をしていくことになる。
    特にシレルズ(The Shirelles) をはじめとする
    ガール・グループ/ガールズ・ポップのブームや、
    そして間接的にビートルズ(The Beatles) にもその影響は表れる。


    のちに1963年には会社の経営権を映画やTV番組制作会社の
    スクリーン・ジェムズ(Screen Gems) に売却。
    のちの「奥様は魔女(Bewitched)」や
    「モンキーズ(The Monkees)」を産み出していく。


    [曲]

    1. The Drifters "On Broadway"

    The Drifters - On Broadway On Broadway




    ドリフターズで1963年の「オン・ブロードウェイ」。
    作詞はシンシア・ウェイル(Cynthia Weil)、
    作曲はバリー・マンのコンビ。

    もともと黒人女の子3人組のクッキーズ(The Cookies) のための曲で
    ドリフターズのバージョンは女の子の視点で書かれた歌詞を
    大きく変更して録音。
    ビルボード(Billboard) Hot 100で9位を記録する大ヒット。


      The Drifters "On Broadway"

      ブロードウェイにはネオンの光が眩いってみんなが言う
      そこには魔法が飛び交ってるってみんなが言う
      でもお前が行ったところで、ろくに食えやしないって
      そんな煌びやかな世界はお前なんてもみ消して
      どこかにやっちまうって

      彼女たちは特別なんだよってみんなが言う
      そう思うと憂鬱なだけだぜって
      なんとか仕事ができたってそんな金じゃ靴も磨けないって

      どうせそんな長くはいられないってってみんなが言う
      グレイハウンドに乗って帰ってくるって
      でもみんなは絶対に間違ってるってオレは知っている
      オレはギターをここで弾くことができる
      そしてブロード−ウェイでスターになるまであきらめない

      やってたやるんだ
      ビッグになってやる
      光の中に名前を入れるんだ
      誰もがオレを知るようになるんだ
      ブロードウェイの端から端まで
      (意訳: Bingo)

    ・・・と、周りに人にやめとけと言われても
    ブロードウェイで夢をつかむまであきらめないぞ。という歌。


    2. The Ran-Dells "Martian Hop"

    The Ran-Dells - Martian Hop Martian Hop




    アルドン・ミュージックにはいくつかのレコード・レーベルがあって
    そのうちの一つチェアマン・レーベルからのヒット曲。
    ニュージャージーのいとこ同士の3人組み
    ランデルズのノベルティ・ソングの「マーシャン・ホップ」。

    この曲のニューヨークでの録音が終わったところで
    スタジオのドアの外で待っていたのは
    キャロル・キングの夫で作詞家のジェリー・ゴフィン。
    当時は非常に珍しかったシンセサイザーの音に
    興味を持って近づいてきたらしい。
    ジェリーはドン・カシュナーに取り次いで1963年6月にリリース。

    4週間後のラジオでのエアプレイを境に徐々にチャートを上り始め、
    ビルボードHot 100では16位を記録。
    当時はアメリカとソ連の宇宙開発競争が加熱中ということもあってか
    アメリカ国内だけでなくフランス、西ドイツ、イスラエルなどにも
    飛び火して1位を獲得、世界的な大ヒットになる。

    このあとはレーベルの積極的な後押しも無く、
    ワン・ヒット・ワンダー(一発屋) となってしまう。
    で、レーベルにとってもヒット曲はこれだけという運命を一緒に辿る。


    3. The Palisades "Make The Night A Little Longer"

    The Palisades - Make The Night A Little Longer Make The Night A Little Longer




    と言っても、ヒットはしていないけど良い曲はちゃんと残っていて
    3曲目は、パリセーズで「メイク・ザ・ナイト・ア・リトル・ロンガー」。

    このグループはゴフィン&キング夫妻の秘蔵っ子のクッキーズをバックに。
    キャロル・キングがリードを取るユニット名みたいなもの。
    曲作りはもちろんゴフィン&キング。

      The Shirelles "Make the Night a Little Longer"
      


    4. Neil Sedaka "Little Devil"

    Neil Sedaka - Little Devil Little Devil




    4曲目はブリル・ビルディング・ポップ界の代表選手、
    アルドン・ミュージックのホープ、シンガー・ソング・ライターの
    ニール・セダカも出しておこうか・・・
    の、1961年の「小さい悪魔(リトル・デビル)」。


    バディ・ホリーの死と同時にロックン・ロールも死んだと言われるけれど
    ロックン・ロールの大スターの不在だけが理由でなくって
    良くも悪くも耳に心地よい甘くて軽いポップなメロディや
    売れるための曲作りに徹した商業化しすぎた音楽産業に時代が変わり
    ロックン・ロールの魂の火が消えた。
    と、いう意味も含まれているんじゃないかなぁ。。。なんて思う。



    [関連記事]
    2009年9月29日 Jerry Lee Lewis ジェリー・リー・ルイス)
    2009年9月23日 Rock Stars Live Fast, Die Young
    2008年5月13日 Ritchie Valens リッチー・ヴァレンス
    2007年9月25日 Alan Freed アランフリード
    2008年11月11日 Jack Keller ジャック・ケラー
    2008年6月10日 The Shirells シュレルズ
    2008年2月12日 The Cookies クッキーズ
    2007年9月11日 Doo-Wop ドゥワップ

    Bingo | Radi-Comi 2010 | 23:52 | comments(0) | trackbacks(8) | top▲
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